3Dプリントされたハーモニックドライブ赤道儀が完成しました。折角なので名前をつけたいと思い、いろいろ検討しました。Keen-One EQ(キーンワンイーキュー)と名づけることにしました。下記の意味を含んでいることと、あとは想像つきますよね(笑

keen
音節keen 発音記号・読み方/kíːn
形容詞
(keen・er; keen・est)
1a〈先端・刃物など〉鋭い,鋭利な (⇔dull,→blunt) 《★【比較】 現在では sharp のほうが一般的》.
a knife with a keen edge 鋭い刃のナイフ.
b〈目・感覚など〉鋭い,鋭敏な.
a keen sense of hearing 鋭い聴覚.
c〈洞察力・知力など〉鋭敏な.
a keen wit 鋭い機知.
d〈人が〉洞察力のある,頭の切れる.
a keen observer of the political scene 鋭い政情観察者.

Detail

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3Dプリンタで印刷されたハーモニックドライブ赤道儀。これは一軸赤道儀として動作するハーモニック赤道儀の1ユニット。より少ないパーツ数で簡単に組み立てることができます。誰でも製作することができます。必要なものは、少しの努力と3Dプリンタです。

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1つで一軸赤道儀として、二つで一般的な赤道儀として機能します。
この2つのユニットは全く同じものです。入れ替えても全く同じように動作します。

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アリガタクランプ、Arca Swissクランプを取り付けることができます。
外殻にはArca Swiss プレートがあります。その他3ヶ所に様々なアタッチメントを取り付けることができます。
重さは、約800g

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動力は、減速比1:5.18のギアードステッパーモーターです。内部のハーモニックドライブは1:78です。総減速比は1:404.04となります。OnStepのメインボードは、外付けとなります。接続には不意にコードが抜けないよう航空プラグを利用しています。

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3Dプリントが完了すれば、組み立ては1時間程度で完了します。

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ST4ポート、ローテーター機能を省き、コンパクトに仕上げました。GPS機能は残しました。サイズはASiair Plusと同じサイズとなります。

懸念点

サイクロイダルドライブ赤道儀より、圧倒的にパーツ点数が少ないので作りやすいです。回転の波も皆無でサイクロイダルドライブで気になっていた点は、全くありません。ただ欠点がない訳ではありません。波動ギアは撓(たわ)んで回転することで減速するのですが、PETGで印刷すると耐久性が非常に落ちます。

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緑、黒、一番右の白がPETGで印刷された波動ギアです。すでに捨ててしまったものもあるので、破壊したギアは数しれず・・・。PETGの方が捻じれ、潰れがないので、バックラッシュのような動きはありませんが、耐久性を考えるとTPUでの印刷を選択しました。しかし、軸に強い力を加えるとゴムが潰れるように軸が少し回転してしまいます。実際そんな強い力は余程大きな鏡筒などを載せないと発生しないので、可能な限り捻じれが少ないデザインにして、多少の捻じれは無視することにしました。

3Dプリントパーツ(STLファイル)

Thingiverse にSTLファイルをアップロードしました。多数報告されていますが、バグがあってアップロードしたポストが行方不明(表示されない)になる問題に悩まされていました。解決策は多分Publishした時に画面が変わるまで、地道に待つことだと思う。たくさんファイルをアップロードした時などアップロード完了して画面が変わるまで時間がかかるので、その間に画面を遷移すると起こるような。多分・・・。

家で眠っていたVixenのポラリエU用極軸望遠鏡も取り付けられるようにしました。基本アプリで極軸は合わせるのですが、合わせた後に極軸望遠鏡でどれ位の精度で極軸合わせができているか確認したいので。一軸赤道儀として使う時も必須ですね。

購入パーツ

さて、BOM(パーツリスト)も兼ねてコスト計算してみるかな。

PETGフィラメント……………..2,499円
TPUフィラメント………………2,199円

2 x 6812ZZ Bearing-60x78x10……………2,076円
2 x 6807ZZ Bearing-35x47x7……………753円
12 x 606ZZ Bearing-6x17x6………….1,530円(8個余り)
2 x 17hs4401s-pg5.18: 1 (Geared Steppermotor)…………..6,883円
2 x Aviation Plug GX12 4pin セット……………1,150円

4 x M3 6mm
2 x M3 10mm
8 x M3 12mm
12 x M3 15mm
8 x M3 30mm
20 x M4 25mm
12 x M4 35mm
14 x M3 Nut
40 x M4 Nut
4 x M6 Nut
4 x M8 Nut (Thin 5mm type)
114個 x 15円 = 1,710円(※ネジ、ナット類は計算が面倒なので、一律15円かけます。)

1m x 4芯 5mmケーブル…………….440円

それと今回外観を良くするためにインサートナットを使いました。3Dプリンターを使うなら、下記のものを買っておいて損はないと思います。
インサートナット一式…………….1,529円

トータルで20,769円でした。このほかに赤道儀として機能させるには、微動雲台、Arca Swissクランプ、Arigataクランプ等が必要です。それとOnStepコントローラー(5,000円程度)が必要。

パーツの構成

組み立て方法

3Dプリントさえ完了すれば、2時間もあれば組み立てられると思います。

注意点

難しいところは最後のギアを合わせるところです。ギアの位置を下記のようにします。内歯が外歯より一つ少ないので赤いラインの部分だけ噛み合っていません。それ以外は噛み合っている状態です。

MainHousing.stlには、12箇所インサートナットを埋め込みます。インサートナットの埋め込み方を動画にしました。最初に映せば良かったですが、下穴が必要です。このインサートナットはM4でギザギザの部分が外径6mm、凹んだ部分の外径が5mmです。この場合下穴のサイズは、中間の5.5mmが収まりが良いです。

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