DIYハーモニックドライブについて

今まで３Dプリンタでハーモニックドライブ赤道儀を作ってきました（ネジとモーター以外殆どのパーツを印刷して）。少しずつ精度を上げるために改良してきました、それももう不要かもしれません。中国製の金属製ハーモニックドライブの値段がどんどん下がってホビー用に購入できる価格帯になってきたからです。

これはハーモニックドライブ付きNema17（ステッパーモーター）です。約8,000円、モーターが約3,000円なので5,000円のハーモニックドライブです。減速比は1:30

これは減速比1:100の超小型ハーモニックドライブ。約25,000円。ギアのピッチが0.1mmくらい。３Dプリンタでは絶対不可能な精度です。

これらを活用すれば、簡単に（？）精度の高いハーモニックドライブ赤道儀を製作できます。

一昨日、上記2つの製品が深センから届きました。早速ハーモニックドライブ付きNema17を使っての赤道儀を設計始めました。イメージができていたのと今まで作った３Dモデルが沢山あるので組み合わせて３時間程度でモデリング完成！

夜プリンタにデータをセットして印刷開始。朝起きてみるとRAパートとDECパートを接続するパーツがベッドから反って使い物にならず。それ以外のパーツは問題がなかったのでDECパートを組み立てました。

DECパートだけをマウントにセットしてみました。Keen-One EQ同様、RAパートとDECパートを同じ設計にしてArcaクランプで接続するように変更しました。この方が持ち運びに便利かなと。

印刷完了！いままでの経験でネジ穴など細かいところを調整できていたので、一発完成！（直しなしは初めてかも）

最初は脱調の繰り返し。vrefを調整したら問題なく動くようになりましたが、ちょっとトルクが心配なのでカウンターウエイトは必須のようです。

完成！材料費（クランプ除く）は約17,000円。マジでコーラのボトルでピッタリバランスが合います！なのでASiair PlusやOnStepはRAパートか三脚に取り付けることにしました。

これから長期出張なので、試運転はGW明け。Backlash（ガタ）ゼロ、減速比が1:30ですが、どこまで長秒露光ができるか楽しみです。ステッパーモーターのマイクロステップを32にしたので、533steps/degreeです。昔手動で追尾していた頃を思い出すと目が飛び出るほどの精度ですけどね！

今までギアから印刷すると一週間はかかっていたのに、ハーモニックドライブがこんなに安く手に入るようになると時間の無駄です。

無駄と書きましたが、良いこともたくさんありました。

1. 高い３Dプリント技術を身につけることができたこと。
2. ハーモニックドライブの仕組みを細かく理解することができたこと。
3. フルDIYした機材で天体観測を楽しむことができたこと。

まあ、ドライブ（ギア）が３Dプリントから既製品に変わっただけで、格好良い自分好みの機材は今後も製作していきます。